皆 様
第19回働学研(月例会)が3月20日(14時~17時)、オンラインにて行われました。
今回は、国際文化政策研究教育学会の研究交流集会(3月20~21日)のプログラムの一環として開催されたものです。
参加者は34名に上り、初参加も11名おられて、過去最多となりました。
報告者は10名で、20歳代から70歳代まですべての年代にまたがっています。
月例会にもかかわらず、短期間のうちに、報告資料16本が揃いました。いずれも力作ぞろい。
学会プログラムに組み込まれ、参加も多く見込まれるなか、気合が入ったとみられます。
第1分科会(書評会)は、単著書を出版された2人(杉山、冨澤)が、相互に書評を行い、リプライし合う。
それらに対して、太田さんが総括コメントする。それぞれが文書として事前に提出されるなど、すべて公開方式です。
このようなスタイルは、おそらく全国でも初めてでは。熱気ムンムン、真剣勝負の磨き合いとなりました。
社会人博士3人の底力をあらためて感じた次第です。
第2分科会は、ICT論の視点から資本主義・情報・生産力・物質代謝などをめぐる発表と議論が展開されました。
斉藤幸平本へのユニークな書評(平松)、平松論文&十名論文に対する新進気鋭のコメント(澤・木林)。
それらに対するコメント&リプライ(十名)、まさに三つ巴の対話をめぐって、議論は想定以上に白熱したものとなりました。
「実に刺激的」「興味深い」「軍配はいずれに?」など、多様な感想・コメントが寄せられました。
第3分科会は、アラサーから70歳代にまたがる女性研究者の報告は、女性パワー爆発といった感慨も。
程報告(中国ごみ問題)は、オリジナルな博論体系を提示し、これから仕上げに向けての決意表明。
井手博士は、コーチング論の分野での多彩な体験をふまえ、次の本に向けての構想を披露。
横田報告(人類進化と家族)は、終章の全体像とエキスを提示され、今後、大著の洗練化へ。
盛りだくさんの内容で、1つの分科会だけで2時間以上は欲しい。それを1時間に抑えるという難しい注文でした。
報告者と参加者が一体となって、何とかこなすことができたのでは、と感じています。
しっかりした報告資料がベースにあって、できた離れ業といえましょう。
多くの参加者に深い感銘を与えたようで、報告者各位もそれぞれ手応えを感じられたと感じています。
毎回、試行錯誤の連続ですが、働学研の挑戦に新たな1ページを刻むことができました。
下記は、報告者・テーマの一覧です。
3/20第19回働学研(博論・本つくり)研究会
14:00~17:00 司会:十名直喜
14:00~ 第1分科会「文化的&創造的な地域・産業づくり―杉山・冨澤本書評会」
・杉山友城[2020.2]『地域創生と文化創造―人口減少時代に求められる地域経営』晃洋書房
・冨澤公子[2020.6]『長生きがしあわせな島<奄美>』かもがわ出版
著者2人(杉山・冨澤)が相互に書評&リプライしあう。それを基に、議論する。
・コメンテイター:太田信義「総括コメント」
(各書評10分・リプライ5分 / 本、コメント10分 + 議論)<60分>
15:00~ 第2分科会「資本主義と人間発達 ―生産力&物質代謝論の新地平」
・平松民平:「書評 斉藤幸平『人新世の「資本論」』」
・澤稜介・木林威夫:「ICTが促す産業・社会・労働の変容」
・十名直喜:「ICTと生産力・技術・労働・物質代謝論 ― 平松民平「資本主義とICT」論をふまえて」
(各発表10分・質疑応答10分:各20分) <60分>
16:00~ 第3分科会[環境・経営・家族 ― 女性の眼差し]
・程 遠紅:「中国ごみ問題の博論体系(序章)」
・井手芳美:「歴史上の偉人に学ぶコーチング論―企業の人材育成に向けて」
・横田幸子:「人類進化と家族 終章」
(各発表10分+質疑応答10分:各20分 ) <60分>