【ご報告】8/28第24回働学研の成果報告

国際文化政策研究教育学会会員各位

平素より大変お世話になっております。国際文化政策研究教育学会(ICPA)事務局でございます。
以下、市民大学院にて8月28日に開催されました十名先生の第24回働学研の成果報告を共有いたします。

【以下転送】
皆様

 8月28日(14:00~16:45)、第24回働学研(博論・本つくり)研究会が開催されました。
 5本の発表があり、下記24名にご参加いただきました。
(敬称略:井手、太田、岡崎、小野、片山、金井、熊坂、小林、佐竹、佐藤、澤、槌田、程、中野、中谷、野口、波多野、濱、平松、藤井、松浦、三輪、横田、十名)

 興味深い発表が続き、多様な視点からのコメントや質問、リプライなどで、議論も盛り上がりました。
 なお、発表予定の岸本さんが、当日のオンライン研究会にアクセスできないというアクシデントがあり、発表中止を余儀なくされました。

 8/28 第24回 働学研プログラム
  発表15分+議論15分=30分/本:計180分、司会:十名、画面:澤

 第1分科会 エシカル・コモンズ・地域文化 14:00~15:00
  三輪昭子:「エシカル消費とCSR ―博論構成と序章」
  濱 真理:「コモンズ考」
  岸本正美:「「遠野と花脊(京都市の山間部)の交流」からグローバル経済へ」(中止)

 第2分科会 ICT・サービス・学習 15:00~16:30
  野口 宏:「情報財とサービス財を考える」
  澤 稜介:「書評 十名[2021.7]「ICTが問い直す生産力・技術・労働・物質代謝論」」
  小野 満:「学習と研究 ―わが生涯の転換点」

 三輪さんの発表に対して、いくつかのコメントが出されました。市民・企業・社会という枠組みでの分析は壮大だが、焦点を絞る必要もあるのではないか。
 分析の枠組みに国家・政府(さらに国連)の視点を入れるべきではないか。仕上げに向けての工程表の提示を、など。

 濱さんの発表に対して、コモンズの理解と評価をめぐって議論が白熱しました。森林や漁場などの共有地論から、現代は大きな広がりを見せているのではないか。
 里山資本主義の里山、さらに地球環境も地球コモンズとみなす議論など。また文化資本など無形のコモンズ論も。「コモンズの悲劇」という歴史的な原点をふまえるべき、など。

 野口さんの発表は、情報技術論、サービス論をめぐるこれまでの深いご研究を、コンパクトに提示されました。それでもサービス論をめぐる論争はかなり難しかったようです。
 それに対して、いろんな角度からの指摘もありました。無形・有形とは何か、無形論としての使用価値論、使用価値と固有価値論の関係、効用価値論との関係など。

 澤さんの発表に対して、後半に示された図表、とくに「図 現代の資源消費とタイムライン」を中心に、興味深い指摘がありました。「資源消費」を鉱物資源などの原料に限定していいのか、「資源」とは何か。
 環境容量、資源消費の限界点をいつ頃とみるのか。労働生産性から資源生産性への価値評価シフトが起こっているのではないか。知的財産権問題とオープンソース、プラットホーム論は、どのような関係にあるか、など。

 小野さんの発表は、90年近い生涯をふり返り、仕事と研究から総括されたものです。4つの危機・転機のうち2つが集中したのが、1970年代。「2 ニクソンショックとオイルショックは何だったのか」「3 基礎研に出会う」。
 2つの危機と転機をめぐって多くの指摘がありました。89歳にして健脚で旺盛な研究意欲の源は何か、そのノウハウ伝授を! その点をめぐる議論が大きく盛り上がり、納得しながらの研究会閉幕となりました。

 なお働学研終了後に、波多野先生から発表&議論について、メールをいただきました。理論・歴史よりも政策・理念の傾向がみられるとのこと、重要なご指摘とみられます。
 そこで、小生もリプライをお送りしています。

 添付(付記)していますので、ご覧いただければ有難く存じます。。
 以上、よろしくお願いします。 (十名)

ご報告:第24回働学研(21.8.28)

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